日本での就職目次に戻る≫1.日本企業の雇用状況2.採用選考の時期89▍日本での就職 日本への留学生の絶対数が増えたことと、企業活動のグローバル化が進んだことにより、国籍を問わず優秀な人材を確保したいと考える企業が増え、外国人留学生の採用は確実に増加しています。 しかし、日本企業の社員採用は、国際的に見ればかなり特殊な形で行われており、そうした状況を知らない留学生にとっては厳しい環境です。日本での就職を考えている方は、状況を十分に把握して、早めの準備と行動を心がけてください。 日本企業による大学卒業者の採用は、基本的には3月卒業、4月入社を前提とした一括定期採用であり、9月卒業者であっても4月まで入社を待つ場合がほとんどです。 雇用形態としては、終身雇用が前提の正社員採用が基本であり、3年や5年などと期間を限定した雇用は一部に過ぎません。現在、大卒社員ひとりの生涯賃金は3億円とも言われており、それだけの賃金を払うに値する人物か否か、企業側は真剣に学生の質を見極めようとしています。そのため、志望理由書であるエントリーシートによる書類選考や、数次にわたる面接、グループディスカッション、筆記試験等、多くの選考を行います。比較的簡単に採用が決まるアルバイトとは全く別であると考えてください。 日本で就職をするためには、就職活動の流れと時期を把握することが重要です。就職活動は4月入学者は学部3年・修士1年、9月入学者は学部4年・修士2年の冬頃から始まり、半年以上かかります。日本企業の多くは一斉に募集を開始し、ほとんどの企業が同じ時期に採用選考を行うため学業との両立のためには計画性が必要です。 2025年4月入社予定の就職活動をする場合には、2024年3月1日に就職サイト等でのウェブエントリーが可能になり、会社説明会が始まります(注①)。その後、面接選考を経て採用が決定し、10月1日以降に開催される内定式で正式な内定が通知されるのが主流です(注②)。これらの選考の準備として、キャリアセンターではガイダンス、各種セミナーなどに加え、外国人留学生のためのイベントや個別相談を日・
元のページ ../index.html#91